2年ぶりに自宅へ─家族と過ごした年末年始─

  • 要介護5
頸髄損傷

入居前の状況

『年末年始を家族と自宅で過ごしたい』

こちらのご利用者は、事故に遭い頸髄を損傷されました。入院中に皮膚トラブルと膀胱留置カテーテルによる感染症を発症、ベッドで寝たきり状態だったため、毎日の医療ケアとリハビリができる当施設へ入居の運びとなりました。

施設でのアプローチ

看護師より

年末年始のリハビリ、介護、看護介入プランをケアマネージャー(CM)と調整しました。本人希望のリハビリに関しては毎日介入し、看護は1日おきに介入しました(リハビリ30分、看護30分)。皮膚状況を観察から排尿トラブルを観察、膀胱留置カテーテルの交換を行い、尿量もチェックしました。

リハビリ・介護より

リハビリについては、主治医の指示のもと集中的な介入を行いました。自律神経症状に留意しながら離床を進めました。介入当初は血圧の変動が多く見られましたが、現在では血圧の変動がなくなり、2時間以上の車椅子乗車が可能となりました。長時間の座位保持が可能となるようポジショニングを行い、車椅子上での良肢位保持により体圧分散を図りました。上肢の巧緻動作練習を行い、食事動作がスムーズに行えるようにしました。また、自助具の調整も行いました。

ケアについては、夜間に3時間おきの体位交換を行い、皮膚トラブルが起きないよう努めました。また、毎日全身に軟膏を塗布し、湿疹等のトラブルを防ぎました。尿路感染防止のため、入浴日以外は陰部の洗浄を行いました。訪室のタイミングでバルーン内の尿量の確認とミルキングを行いました。

その後の様子

12月31日から1月3日の4日間の介入により、2年ぶりに自宅で近所の方や家族(特にお孫様)たちと会い、食事ができたことを大変喜ばれていました。外泊初日の12月30日の夕方には発熱があり、主治医の指示のもと自宅へ緊急訪問を行い対応しました。

その後、スタッフにも申し送りし、点滴などの対応を継続しました。ご本人やご家族からは、発熱などの緊急時にも素早く対応してもらえ、何より自宅に帰りたいという希望を多くのスタッフの協力で叶えることができ、大変嬉しかったと喜びの声をいただきました。

ご家族の声

入院中はコロナ禍もあり面会できず、2年以上自宅にも帰れていない状況でした。そんな中、メディケア癒やしの看護師をはじめスタッフの皆さんが「年末を目標に、一時帰宅をしてみませんか?」と提案してくれました。年末年始を自宅で過ごすために看護介入・生活リハビリ介入のプランをケアマネジャーと調整してくださり、無事念願の自宅で年末年始を過ごすことができました。

外泊中に発熱もありましたが、自宅で点滴など柔軟に対応していただきとても安心しました。何よりも、久しぶりに近所の方や孫に会うことができて本人も大変感激していました。メディケア癒やしのスタッフさんの前向きな姿勢と協力で目標を叶えることができて、大変嬉しかったです。