
国境を越えた介護・医療の学びと交流
2025年5月20日、住宅型有料老人ホーム「メディケア癒やしDX京町台」に、タイより30名の看護師の皆様が視察に訪れました。国や文化の違いを越えて、「より良いケアを提供したい」という共通の想いのもと、現場での見学と活発な意見交換が行われました。

現場とテクノロジーの融合を体感
視察では、居室や各フロアに加え、4階に併設された脳梗塞リハビリセンターをご案内しました。実際のケア現場や生活空間をご覧いただくなかで、当施設の理念や、職員の視点からの取り組みについてもご紹介しました。

特に注目を集めたのは、コニカミノルタ社製のAI見守りセンサー「HitomeQ(ひとめく)」です。このセンサーは入居者様の状態をリアルタイムで検知し、異常時にはスタッフへ即時通知される仕組みとなっており、迅速な対応を可能にしています。24時間体制での看取り対応を支えるこの技術に対し、参加者から多くの関心が寄せられました。
また、見守りの効率化によって創出された時間を「ふれあいの時間」へ転換しているという点にも、共感の声が上がりました。

最新のリハビリ機器と評価法に高まる関心
脳梗塞リハビリセンターでは、脳卒中後の歩行訓練に特化した共同開発機器「スプリットR」の実演をご覧いただきました。その革新性と実用性に、視察団から感嘆の声が上がりました。
また、半側空間無視の評価テスト「アテンション」を用いた科学的なアプローチにも高い興味が示され、参加者の皆様は真剣な表情で説明に耳を傾けていました。


「医療依存度が高い方も安心」数値で示すケアの質
施設内で行ったプレゼンテーションでは、24時間看護師常駐体制の紹介に加え、医療依存度の高い入居者への対応が可能であることを、データを交えてご説明しました。
現在、入居者の約8割が医療的ケアを必要としており、そのうち半数以上が高度な医療依存状態にあるという事実に、驚きと感心の声が上がりました。
さらに、リハビリテーションの成果として、入居前に寝たきり状態だった方の割合が41.6%から26.3%に改善されたというデータを示すと、場内には感嘆の声が広がりました。
当施設では、入居時から在宅復帰を見据えた支援にも注力しており、退所後も医療・介護サービスが切れ目なく継続される体制に対しても、強い関心が示されました。
「施設を卒業したあとも、安心して暮らせる仕組みがある」という点は、非常に印象的だったようです。


国際交流を通じた学びと共感
今回の視察を通じ、タイの看護師の皆様にとって日本の高齢者ケアや介護テクノロジーへの理解が深まり、今後の業務に活かしていただけることを願っております。
言語や文化の違いを超え、熱心に学び、積極的に質問される皆様の姿勢に、私たちも多くの刺激と学びを得ることができました。
言葉は異なっても、医療従事者としての使命は共通です。
このような国際交流を通じ、互いの実践を高め合える機会を今後も大切にしてまいります。


